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岩田 景子; 端 邦樹; 飛田 徹; 廣田 貴俊*; 高見澤 悠; 知見 康弘; 西山 裕孝
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 7 Pages, 2021/07
The crack arrest fracture toughness, K, values for highly-irradiated reactor pressure vessel (RPV) steels are estimated according to a linear relationship between crack arrest toughness reference temperature, T, and the temperature corresponding to a fixed arrest load, equal to 4 kN, T, obtained by instrumented Charpy impact test. The relationship between T derived from the instrumented Chrapy impact test and fracture toughness reference temperature, T, was expressed as an equation proposed in a previous report. The coefficients in the equation could be fine-tuned to obtain a better fitting curve using the present experimental data and previous K data. The K curve for RPV;A533B class1 steels irradiated up to 1.310 n/cm (E 1 MeV) was compared with a K curve defined in JEAC4206-2016. It was shown that the K curve was always lower than the 1%ile curve of K for these irradiated RPV steels. This result indicates that the conservativeness of the method defined in JEAC4206-2016 to evaluate K using K curve is confirmed for highly-irradiated RPV steels.
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
JSME International Journal, Series A, 47(3), p.479 - 485, 2004/07
原子炉圧力容器の構造健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる延性脆性遷移温度の中性子照射によるシフトが、破壊靭性のシフトと等しいと仮定している。このため、破壊靭性とシャルピー遷移温度との相関を確立する必要がある。本研究では、6種類の原子炉圧力容器用のASTM A533B-1鋼及び溶接金属について、ASTM規格に導入されたマスターカーブ法を適用して破壊靭性を評価した。中性子照射試験は、JMTRにおいて、予き裂シャルピー破壊靱性試験片及び標準シャルピー衝撃試験片に対して実施した。マスターカーブ法に基づく破壊靭性参照温度とシャルピー遷移温度に対する中性子照射効果を評価した。試験片寸法効果に関して、シャルピー型試験片と大型試験片との比較も行った。破壊靭性参照温度の中性子照射によるシフトとシャルピー衝撃試験の遷移温度シフトとの相関を確立するとともに、照射後の最適な破壊靭性試験温度及び下限破壊靭性の評価に関する検討を行った。
若井 栄一; 菱沼 章道; 宇佐美 浩二; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1180 - 1183, 2000/09
中性子照射した高純度と低純度のFe-9Cr合金の微細組織と引張及び衝撃特性が調べられた。照射はJRR-3M(Modified Japan Research Reactor-3)炉にて、255または290で0.3dpaまで行った。照射による降伏応力の増分は高純度と低純度材料でそれぞれ225MPaと170MPaとなり、それは高純度材料の方が大きくなった。また、それらの延性の低下は高純度材で著しい低下が見られた。衝撃特性に関しては、高純度材料は低純度材料に比べて、延性脆性遷移温度の上昇が大きく、175であった。透過型電子顕微鏡観察ではこれらのFe-9Cr合金に転位ループが形成していて、その数密度は低純度材料の方がやや高かった。また、高純度材料では、ループ上に'相に類似した析出物が観察された。降伏応力の増加に対する転位ループの障壁力を分散型障壁物のモデルで評価すると、その強度因子は高純度材の方がやや大きいことがわかったが、これは転位ループ上に形成した析出物が起因していると考えられる。以上のような照射による機械的特性の変化は、転位ループの硬化だけでは説明できず、ループ上の析出物の形成がそれらに大きな影響を及ぼしていると考えられる。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
ISIJ International, 37(8), p.821 - 828, 1997/08
被引用回数:3 パーセンタイル:35.47(Metallurgy & Metallurgical Engineering)原子炉圧力容器鋼材の照射脆化に関して、各種機械的特性の変化の相関を調べた。照射脆化に影響する鋼材中の鋼、燐及びニッケル量を変化させた7種類の鋼材を利用し、JMTRで中性子照射を行った。本鋼材は、IAEA鋼材照射協力研究用に国内鋼材メーカーが製造したものであり、国内PWR圧力容器鋼の化学成分範囲を包含するように選択した。室温での降伏強さの増加を指標とした場合、ビッカース硬さの増加及びシャルピー遷移温度のシフトには良い相関が認められた。上部棚温度領域では、延性破壊靱性の低下と降伏強さの増加に良い相関が認められ、一方でシャルピー上部棚吸収エネルギにはあまり良い相関が認められなかった。延性脆性遷移温度域での破壊靱性値は、ばらつきが大きいため、統計処理を含む最適な評価方法の確立が必要である。
實川 資朗; 木崎 實; 海野 明; 芝 清之; 菱沼 章道
Small Specimen Test Techniques; ASTM STP 1204, p.289 - 307, 1993/00
被引用回数:15 パーセンタイル:98.51(Nuclear Science & Technology)円環状ノッチ付きパンチ試験、スモールパンチ試験、微小引張試験等をホットセル中で行なうための試験装置を開発している。加えてホットセル中で微小試験片を取り扱うためのマイクロマニピュレーター及び微小引張試験片等を製作するための放電加工材の製作も行っている。さらに、各試験法の適用範囲を評価するための試行も行った。スモールパンチ試験から得られる特性値と引張試験結果との相関は、あまり明瞭でなかった。円環状ノッチ付きパンチ試験で得られる脆性延性遷移温度はスモールパンチ試験の結果よりも高く標準シャルピー試験の結果に近かったが、材料依存性には相違も見られた。この違いは、試験片の寸法効果によるものと考えられる。
中嶋 秀夫; 吉田 清; 辻 博史; R.L.Tobler*; I.S.Hwang*; M.M.Morra*; R.G.Ballinger*
Advances in Cryogenic Engineering, Materials, Vol.38, p.207 - 215, 1992/00
試験前の試験片温度が4Kであるシャルピ試験を4Kシャルピ試験と定義し、4Kでのシャルピ吸収エネルギが測定されている。しかしながら、試験時の試験片温度上昇は避けられず、実際の温度はかなり上昇しており、4Kでの破壊靱性を規定するには無理がある。本報告では、2種類の4Kシャルピ試験方法の対応及びシャルピ吸収エネルギと破壊靱性値との4Kにおける対応を調査した結果について述べる。この結果、シャルピ吸収エネルギと破壊靱性値との間には、有意な相関関係は見られず、法律で基底されているシャルピ吸収エネルギでの4K破壊靱性の評価は妥当でないことがわかった。
鈴木 雅秀; 衛藤 基邦; 深谷 清; 西山 裕孝; 古平 恒夫; 奥 達雄; 足立 守; 海野 明; 高橋 五志生; 三沢 俊平*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.441 - 444, 1991/00
被引用回数:30 パーセンタイル:92.44(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射した21/4Cr-1Mo鋼(焼ならし-焼もどし材)微小試験片(3mm0.25mm、10100.5mm)のスモールパンチ(SP)試験を行い、得られた各種の値と通常の方法によって得た照射後機械的性質とを比較した。照射はJRR-2で300C、110 n/m(E1MeV)なる条件で行なった。SP試験の温度範囲は約-100Cから室温とした。SP試験によって得た弾塑性破壊じん性値Jは0.4及び0.7DCT(ディスコ型コンパクト試験片)を用いて得たJと良い一致を示した。
鈴木 雅秀; 深谷 清; 古平 恒夫; 奥 達雄
日本原子力学会誌, 27(8), p.722 - 724, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.33(Nuclear Science & Technology)原子炉の構造物には低合金鋼が多く使用されいているが、原子炉冷却材の出口温度の高温化に伴い、高温で使用される機械が多くなり、高温強度特性の良好なCr-Mo鋼への期待が高まっている。日本原子力研究所で開発が進められている多目的高温ガス実験炉(VHTR)の圧力容器に使用予定の2-1/4Cr-1Mo鋼および主ボルトとしての1Cr-0.5Mo-0.3V鋼もその1例である。原子炉の健全性・信頼性の確保のためには、構造材料について材質的な面から十分に検討しておく必要があるが、この中で材質の経年変化の評価は重要であるにも関わらず甚だ難しい。というのは、予測評価には現象の機構的把握が前提として必要であるにもかかわらず現状では十分でないこと、および予測評価のための加速試験の方法が確立していないことが多いからである。一般的に、熱処理による組織調整法を用いて所定の強度、靭性を保持している材料では、高温で長時間保持された後も、これらの性質が保証されるか否かは定かではない。
鈴木 雅秀; 深谷 清; 奥 達雄
Trans.Iron Steel Inst.Jpn., 22, p.863 - 868, 1982/00
焼きもどし脆化に及ぼす付加応力の効果を、実験室規模の2 1/4Cr-1Mo鋼に関して調べた。脆化の評価は、シャルピー試験を行うことにより、又、脆化の解析は、走査電子顕微鏡及びオージェ電子分光を行うことにより実施した。温度は450Cに固定し、付加応力レベルを変えて試験を行うことにより、次のようなことがわかった。付加応力は、材料中にあるレベル以上のP元素を含む場合、脆化を促進させる効果があり、この脆化の促進の程度は、応力が高いものほど大きい。この応力による脆化の促進現象に関し、定性的に説明を試みた。